カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

インドのキャッシュレス化(ファッションeコマースの事例)|UPI編

今回のインドのキャッシュレス特集では、第一回目はインドのeコマースを利用してカバンを買おうとしたらインド特有のクレジットカード事情のためにつまづいてしまったという話。第二回目はモバイルペイメントも使えなかったというお話をしました。 では、イ…

書評|GoogleやFacebookをみる新しいレンズとしての監視資本主義|"The Age of Surveillance Capitalism" by Shoshana Zuboff

ここ数年、AIの危険性やGAFAの過度の影響を警戒する書籍がベストセラーに増えてきました。例えばキャシー・オニールによる"Weapons of Math Destruction"(邦題『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』)は現場で実際にプロジェクトに携わ…

インドのキャッシュレス化(ファッションeコマースの事例)|モバイルペイメント編

前回はファッションのeコマースを利用してカバンを買おうとしたらインド特有のクレジットカード事情のためにつまづいてしまった話でした。 今回はクレジットカードが使えないならどうする?という話です。では、クレジットカード以外はどのような選択肢があ…

イギリスの取り組みから学ぶ児童相談所問題とサービスデザイン

千葉小4虐待死事件から自動相談所の問題点について多くが語られるようになりました。自動相談所の対応が杜撰だったと「質」を批判する声が上がるとともに、児童相談所の職員はそもそも足りておらず、対応が追いつかないと「量」の問題を提起する声も上がりま…

インドのキャッシュレス化(ファッションeコマースの事例)|クレジットカード編

ボクはファッションに関してはちょっとしたこだわりを持っています。音楽、映画、アート、ファッションはボクのアイデンティティの一部といってもいい。これに「食」を加えた五つにはオタク的なこだわりがあります。リアルに会って、これらを語らせたら迷惑…

書評|「チーム人間」対「チームアルゴリズム」|"Team Human" by Douglas Rushkoff

最近のテクノロジーや技術革新に関する書式は楽観的な「世の中よくなってる派」と悲観的な「世の中あまりよくなってない派」に分かれます。「世の中よくなってる派」の代表は『ファクトフルネス』のハンス・ロスリングや"Enlightenment Now"のスティーブン・…

書評|アメリカ海軍特殊部隊から学ぶデザインとリーダーシップ|"The Dichotomy of Leadership" by Jacko Wilink

企業ではいろんな事業やプロジェクトに取り組みますよね。中には、その企業の存続を左右するようなプロジェクトもあるかもしれません。でも、人は死にませんよね。会社が倒産して、そのために社員が路頭に迷って、間接的に人の生死を左右することはあるかも…

映画|グランドホテル方式のネオ・ノワール|Bad Times at the El Royale(ネタバレなし)

今月に観た映画で一番良かったのは黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年)ですが、取り上げるのはブログの趣旨「イノベーションに効く世界の情報を日本語で」にマッチしている日本未公開の"Bad Times at the El Royale"(2018年)なので、こちらをご紹介。…

音楽|日本の配信音楽的なものが世界に流れ出ている|Omniboi, Pheeno, Cute Girls Doing Cute Things

キュートでクールでエレクトリックなボク好みの音楽が最近たくさんあります。こういう音楽ってTofubeatsやYMCKなど日本では以前からたくさんありました。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅに代表される中田ヤスタカもその延長線上にあります。 これに加えて配信…

書評|日本ではわかりづらいRedditを理解するためのテキスト|"We Are the Nerds" by Christine Lagorio-Chafkin

Redditって有名だし、英語圏でビジネスをするならチャネルとしても無視できない。2019年1月時点でのAlexaのランキングでは18位。FacebookやTwitterのような定番以外にグロースハックをやるならRedditは検討しなければいけないチャネルの一つです。Reddit hug…

書評|自分のペースで仕事をする大切さ|"It Doesn't Have to Be Crazy at Work" by David Heinemeier Hansson and Jason Fried

いきなり個人的なことですが、ボクは最近になって日本企業で働いています。これまでずっと外資系企業に勤めたり、海外でスタートアップやったりしていたので、日本企業で働くのは本当に初めてのことです。で、これが驚くほどに快適なんですね。なぜかといえ…

書評|スタートアップとベンチャーキャピタルの関係を説明したバイブル|"Venture Deals" by Brad Feld, Jason Mendelson

スタートアップ界隈では尊敬されている人たちがいます。今回紹介する"Venture Deals"の共同著者のブラッド・フェルドはその一人です。コロラド州のボルダーはスタートアップの活動が活発ですが、そのスタートアップコミュニティーを立ち上げる主役の一人がブ…

書評|現場のiPhone開発者が見たAppleの創造力の源泉とは?|"Creative Selection" by Ken Kocienda

Appleの株価は2018年8月に米国史上初の時価総額が10億ドル(1000億円)を超えました。そして、同年10月をピークにして、2019年1月にはアメリカで一位から三位まで転落してしまいました(一位はアマゾン、二位はマイクロソフト)。 Appleの想像力の源泉と言え…

書評|オッサンの言ってることは意外と正しいんじゃないか?|"Lab Rats" by Dan Lyons

今回紹介する著書のダン・リオンズさん。見ての通り、オッサンです。ずっと編集畑を歩んできて、リストラされる。心機一転、スタートアップ(Hubspot)の世界に飛び込んだもののやっぱりリストラ。スタートアップめ!ざけんじゃねーぞ!とスタートアップ界隈…

書籍|本当のマーケティングの話|"This is Marketing" by Seth Godin

顧客起点とよく言いますよね。本来であれば「マーケティング」というのは顧客のことを理解して、顧客が求めるものを作り、届けることです。「営業」は顧客の困りごとを理解し、その困りごとを解決する方法を紹介することです。 つまり、顧客起点とは顧客への…

2018年映画ベスト8本(ネタバレなし)|ベスト・オブ・2018

2018年は映画業界におけるネットフリックスの存在感が際立った年でした。今回選んだベスト映画も『アナイアレイション -全滅領域-』、『ROMA/ローマ』と『バード・ボックス』の三本がネットフリックス配給となっています。テレビドラマではすでに大きな存在…

2018年焼酎ベスト5杯|ベスト・オブ・2018

今回のテーマは藤田純『ファイナル焼酎』です。 ボクの場合はお酒の好みがはっきりしています。よく飲むのはクラフトビール(ラガービールは苦手)、ジン、テキーラ、ラムベースのトールカクテル(ショートカクテルは苦手だし、ウィスキーも得意じゃない)。…

2018年カレーベスト5皿+α|ベスト・オブ・2018

ボクはシンガポールというインドと中国のクロスロードに9年間住んでいた関係上、カレーや四川料理だけでなく、タイ料理やマレーシア料理といった様々なカレーを日常的に食べてきました。そんなボクが衝撃を受けたのが大阪『コロンビア8』のスパイスカレーで…

2018年歌謡曲ベスト5曲|ベスト・オブ・2018

文学に芥川賞的な文芸小説と直木賞的な大衆小説があるように、音楽にも文芸音楽と大衆音楽があります。大衆音楽は歌謡曲とも言います。この二つはくっきり分かれるものでもないのですが、分けたほうがわかりやすかったりもします。 ボクは小説は大衆小説が好…

2018年邦楽ベスト20曲|ベスト・オブ・2018

洋楽も聴きますが、日本の音楽も当然ながら聴きます。 ボクは「いま観れるものは、いま観る。いま聴けるものは、いま聴く」をモットーとしています。同じ時代に生きているのだから、同じ空気を吸いたい。だから日本のインディーズは昔から好きです。渋谷、下…

2018年洋楽ベスト20曲|ベスト・オブ・2018

2018年はCDを全てブックオフに売り払って完全にSpotifyに移行した年でした。アルバム単位で聴くことはほとんどなくなり、楽曲単位で聴くようになりました。多少前後あるかもしれませんが、順番は発表順で、前の方が今年前半、後ろの方が今年後半です。 この…

2018年和書ベスト3冊|ベスト・オブ・2018

このブログのコンセプトは「イノベーションに効く世界の情報を日本語で」なので、日本の情報は取り扱いませんし、日本語で書かれた和書も取り上げません。それでも、ボクは日本人なので日本語で書かれた書籍も買いますし、読みます。英語の本に比べるとかな…

2018年洋書ベスト5冊|ベスト・オブ・2018

2018年に出版された英語圏の書籍で目立つトレンドをカタパルトスープレックス 的に総括すれば「揺り戻し」ではないかなと思います。『リーンスタート・アップ (原題:Lean Startup)』をさらに押し広げた『スタートアップ・ウェイ(原題:Startup Way)』や…

書評|『ブラック・スワン』脱落組がナシーム・ニコラス・タレブに再挑戦|"Antifragile" by Nassim Nicholas Taleb

ボクは本をいっぱい読むほうだと思いますが、頭がいいとは言えません。難しい本とか全然理解できません。その代表例がボクにとってはナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』です。もちろん、その骨子はわかりますよ。白鳥は白いと思っていたら突…

世界をリードする中国のAI企業:アイフライテック

MIT Technology Reviewが2017年に発表した最もスマートな企業には多くの中国企業がランクインしました。ちなみにアメリカ企業がトップのNvidiaを含む最多で31社。中国企業は7社で2位でした。残念ながら日本企業はランクインしていません。 そして、中国企業…

書評|OMOの生みの親が至るAIと愛の境地|"AI Superpowers" by Kai-Fu Lee

頭のいい人はフレームワークで考えて整理整頓するのが非常に上手です。今回紹介する"AI Superpowers"の著者であるカイ=フー・リーもその例に漏れず、AIを中国とシリコンバレーで比較するという入り組んだ題材をうまく整理しています。OMOというキーワードが…

インターネットのビジネス再入門|後編:消えるデジタルとリアルの境界線

これまでのおさらい 第一回の『インターネットの広告をちゃんと理解する』ではインターネットのビジネスの側面を支える広告について改めて振り返りました。インターネットが「道」であれば、情報やサービスは「クルマ」、そして広告はその「燃料」であり「石…

書評|郊外から広がったヘロインとの戦い|"Dopesick" by Beth Macy

多くの日本人にとって麻薬とか覚せい剤とかコカインとかヘロインってピンとこないですよね。テレビや映画で出てくるもの。そういう意味ではアヴェンジャーズと変わらない。これがアメリカだとドラッグは日常とさほど離れていない存在となります。特に、都市…

インターネットのビジネス再入門|中編:インターネットの「石油」を規制する動き

前回の『インターネットのビジネス再入門|前編:インターネットの広告をちゃんと理解する』ではインターネットのビジネスの側面を支える広告について改めて振り返りました。インターネットが「道」であれば、情報やサービスは「クルマ」、そして広告はその…

書評|ダークウェブとビットコインを使った最大の犯罪のドキュメンタリー|"American Kingpin" by Nick Bilton

史上最大のダークウェブでの犯罪といえば闇売買サイト「シルクロード」ですね。このシルクロードについて日本語で一番詳しい記事はザ・ゼロワンの連載記事「史上最悪の闇サイト「Silk Road」黒幕裁判」でしょうか。ボクもこの連載をドキドキしながら読みまし…